【宝石の国】27種類の石の意味|知ったらもっと楽しめる![原作完結]

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アニメ化もされた大人気作品『宝石の国』には27種類(28人)の宝石が登場します。この記事では、それぞれの宝石が持つ性質や宝石言葉について調べてまとめました。アニメ2期放送の可能性についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

『宝石の国』とは

今回のテーマとなる作品『宝石の国』は、市川春子さんによる日本の漫画で、2012年12月より、月間アフタヌーンという雑誌で連載中です。

単行本第1巻が発売された年の年末には「このマンガがすごい!2014」にランクインし、さらに大きな話題を呼びました。

また、2017年にはアニメ化もされています。

『宝石の国』のあらすじを簡単に説明すると、人間のいなくなった後の世界で生きる、人間のかたちをした宝石たちが紡ぐ神秘的な物語となっています。

さっそく宝石の国に登場する27種類の宝石を解説する前に、少しだけ、この作品の魅力をご紹介することにしましょう。

追記>>> 原作『宝石の国』は2024年4月25日発売の月刊アフタヌーン6月号をもって最終回を迎えました!全108話での完結となったようです。…おや?煩悩の数と同じ?

宝石の国のおもしろいところ

宝石と聞くと、おそらく皆さんイメージされるのがダイヤモンドとかサファイヤあたりだと思いますが、この物語の主人公は「フォスフォフィライト」という宝石です。

文字を読んだだけで噛んでしまいそうな名前ですよね?

よほどの石好きでない限り、原作を知る前からフォスフォフィライトという宝石を知っていたという人はいないでしょう。

とても繊細で、壊れやすい(しかも知名度も低めな)フォスフォフィライトが主役であること。

これこそが『宝石の国』の一番の魅力と言えます。

そしてさらに言えば、超しょぼいキャラがめちゃめちゃ強くなって悪を斬る、といったような王道のストーリーでもないところがまた良いのです。

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『宝石の国』27種類の宝石と意味

ではここからは、大人気作品『宝石の国』に登場する28体(27種類)の宝石と、それぞれが持つ意味をご紹介します。

フォスフォフィライト

フォスフォフィライトは希少なリン酸塩鉱物の一種です。名前の由来は、リンを意味する「phosphorus」とギリシャ語で葉を表す「phyllonからなります。

和名は「燐葉石(りんようせき)」。

硬度が3-3.5ととても脆く、ジュエリーなどに加工するのが難しい石とされています。

稀少な石であり、現在は採掘地も枯渇してしまっているために、今出回っているものはコレクターなどによるオールド品のみと言われるほどです。

フォスフォフィライトの石言葉(花言葉の石版みたいなもの)には、「不可能を可能にする」「逆境を乗り越える」といったものがあります。

まさに『宝石の国』のフォスフォフィライト(通称フォス)の生き様を表しているかのような意味ですよね。

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シンシャ

Cinnabar(mineral) is generally found in a massive, granular or earthy form and is bright scarlet to brick-red in color.

シンシャ(和名:辰砂)は、硬度が2.0-2.5と、フォスよりも脆いながら毒性を持つ硫化鉱物です。

『宝石の国』に登場するシンシャも、毒を持つ自分が、皆に危害を加えてしまうことのないように、洞窟のような場所に隠れ住んでいましたよね。

宝石としてのシンシャは、アクセサリー向きではなく、展示用の鉱物原石として用いられることが多いようです。

ちなみに、神話や伝説に登場する「賢者の石」は、このシンシャであると言われています。

シンシャの石言葉は「忍耐の果てに問題を打開する」といったものがあるようです。カッコよ。

ダイヤモンド

ダイヤモンド

『宝石の国』には、実は2体、ダイヤモンドが登場します。

ひとりは、いつも他の宝石たちと仲良く遊んでいるダイヤです。

アイドルのような可憐な雰囲気が可愛いですよね。

もうひとりは、宝石たちの保護者のような存在であり、謎も多い金剛先生です。

皆さんご存知の宝石の王様、ダイヤモンドの和名は、金剛石と言います。

自然界に存在する鉱物の上位3位にランクインするほどの硬度を持ち、炭素のみで構成されています。

無色透明で美しい輝きを持つことから、ジュエリーとして大人気ですよね。

ちなみにダイヤモンドには自然に採掘された天然ダイヤと、合成ダイヤがあります。

ダイヤモンドの石言葉には「変わらぬ純愛」「清浄無垢」というものがあり、『宝石の国』での金剛先生、そして可愛いダイヤの在り方をよく表しているようです。

ボルツ

ボルツ(黒色ダイヤ)

ボルツは、正確にはカーボネードと言う名の多結晶ダイヤモンドです。

『宝石の国』ではダイヤがボルツに対して「僕の弟」と言っている場面が見られますが、石として見ても本当に兄弟でしたね。

ボルツはダイヤの仲間で、亜種と言えます。

ブラックダイヤ、あるいは黒色ダイヤとも呼ばれるボルツの硬度は10程もあり、単結晶のダイヤよりも硬い鉱物です。(見た目は、ほぼ石炭)

稀少な鉱物でありながらアクセサリーとしての需要は多くないため、通常のダイヤモンドよりも安価で出回ることが多いのだとか。

そんなボルツ(ブラックダイヤ)の花言葉には「不屈の精神」「超越」といったものがあります。

モルガナイト

モルガナイト

『宝石の国』では、活発でクチ悪めのモルガナイトですが、美しい桃色を持つ世界中で大人気の宝石です。

緑柱石(ベリル)と呼ばれる鉱物の仲間で、小さくて透明度の高いものは宝石として流通します。

大きなものは鉱物ショップに並ぶことが多いようです。硬度は7.5程とされています。

モルガナイトは天秤座や魚座の守護石でもあり、パワーストーン好きのあいだでは「恋愛に効く」として愛されています。

天然石としてのモルガナイトは、濃いスモーキーピンクのものが多いです。

石言葉には「愛情」「優美」といったものがあり、『宝石の国』のモルガナイトの優雅な雰囲気を感じますね。

ゴーシェナイト

macro mineral aquamarine stone on a black background close-upゴーシェナイトに似た色

『宝石の国』ではゴーシェと呼ばれているゴーシェナイトは、モルガナイトと同じベリル属です。

ベリルの中でも純度が高く、無色のものを言います。

ベリルは混色で採掘される場合がほとんどであることから、ゴーシェナイトはとても稀少な石とされています。

市場で見かけることはまず、ないでしょう。

ゴーシェナイトの石言葉には「真実」「気品」といったものがあり、『宝石の国』でペアを組んでいるモルガとの絶妙なバランスを想像できます。

モルガが太陽なら、ゴーシェは月のようですね。

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ルチル

Macro mineral quartz hairy stone, quartz with rutile on a white background close up

『宝石の国』におけるお医者さん、保健室の先生をしているルチル姉さんです。

透明度の高い石英のなかに、美しい針のような金糸を宿している宝石で、正式名は「ルチルクォーツ」と言います。

硬度は6程度で、可もなく不可もない印象です。

実は、このルチル、宝石としてもパワーストーンとしても、そしてさらには風水の世界でも大人気の鉱物となっています。

というのは、どうやら内包されている金の糸のようなものが金運をイメージさせやすいようなのです。

ルチルクォーツには、経済的豊かさや仕事での成功といったご利益があるとされています。

そんなルチルクォーツは、「強運」「家族円満」「洞察力の向上」という石言葉を持っています。

ジェード

ジェード(翡翠)

硬く耐久性に優れることから『宝石の国』においては「堅牢のジェード」の異名も持つジェード。

和名は、翡翠(ひすい)です。

翡翠は日本でも採掘されている鉱物で、新潟県の糸魚川産のものが有名ですね。

糸魚川の翡翠は日本の国石にも選ばれるほど高品質で美しく、稀少なのだそうです。

ジェード(翡翠)は一般的に、色が濃いものほど高価で、なかなか入手できません。

色が淡いものであれば、天然石ショップなどで比較的お手頃に入手できます。

翡翠の石言葉には、「繁栄」「長寿」「安定」といったものがあります。さすが堅牢のジェード。

ユークレース

ユークレースは『宝石の国』に登場する宝石のなかでも、フォスフォフィライトと同じくらい知名度の低めな石でしょう。

皆さん、かき氷のブルーハワイってご存知でしょうか?

あの色味と雰囲気が、ユークレースのイメージそのものです。

氷河のような美しいブルーの鉱物で、硬度は7.5程あります。

しかし、それほど美しいユークレースは非常に割れやすいことから、アクセサリーとして加工するのが難しいとされています。

そのため、宝石としてのユークレースはとても稀少です。

ユークレースの産地の多くは海外で、日本国内では岐阜県で微細な結晶が採掘できるのみです。

「希望」「夢」「奇跡」といった、明るい石言葉を持っています。

レッドベリル

画像はイメージです

レッドベリルは、緑柱石の仲間であるエメラルドを模して「赤いエメラルド」とも呼ばれます。ただしルビーほど真っ赤ではなく、イメージ画像のような紫がかった赤色です。

とても稀少な鉱物であることから、レッドベリルでジュエリーとして流通しているものは、合成でつくられたものがほとんどになっています。

採算がとれないため、現在ではすべての鉱山が閉鎖されてしまっているようです。

『宝石の国』では服飾担当として活躍しているレッドベリルの石言葉は、「機知」「聡明」です。

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